東京・巣鴨
セレクトショップ

えがお洋品店えがお洋品店

Column & News

3. 昔と同じ服を着るとなぜ老けて見えるのか

2023-02-03

 

ファッションは自分の変化と向き合うことが大切。

 

 

変化に対応して素敵に見せる

 

何年も前に奮発して買った某イタリア高級紡績メーカーの生地を使用したスーツ、捨てられずにワードローブの片隅に記憶とともに眠っています。若かった頃の記憶は素敵なメモリーとして頭の中に記録されるものです。

 

ただし、残念な気持ちになる可能性が高いので、引っ張り出してまた着ることはお勧めしません。

 

体重が変わらなくても筋肉量が下がり、重力によって顔と身体のバランスは変化しているので、今の顔に合わせると妙な違和感(これが若作りと感じる)が出てしまいます。

 

若作りとは、顔と身体(洋服)のバランスが崩れているために起こる違和感。

 

10年前に似合っていたからといって、10年の歴史を刻んだ顔と身体で同じように似合うわけはありません。老化しているといえばそれまでですが、変化していると捉えて前向きにその変化に対応することで今の自分をより素敵に見せることができます。

 

 

トレンドの賞味期限と消費期限の使い分けが大切

 

 

洋服と上手に付き合う2つのこと

 

そのためには、2つのことを意識してみて欲しいのです。

 

1つ目は「着れるサイズではなく、綺麗に見えるサイズ」を選ぶこと。

 

例えば身体のラインを強調する細リブのニット、タイトにピタっと着るのが素敵なのは30代まで。下がった胸の位置が年を感じさせ、腰回りの肉を拾ってしまい、小さいものを無理して着ている感じに見えてしまいます。

 

太めのリブで、窮屈に見えないワンサイズ上のサイズとデザインを選ぶことでこの違和感は解消できます。

 

2つ目は「トレンドには賞味期限と消費期限がある」ことを理解しましょう。

 

流行の賞味期限は持って3年、以降は食せるけれど美味しくないと心に刻むこと。

 

彼のパンツを借りてきたような、ダブッとしたボーイフレンドフィット。数年前までは今っぽく垢抜けさせるアイテムでしたが、今日では逆に時代遅れに感じさせてしまいます。

 

これが賞味期限、着れるけどお洒落にならないということです。

 

また、一生着れると言われて買ったコートはどんなに気に入っていても10年着れば生地の傷みが見えてくるものです。(バーバリーのトレンチコートや、サルトルのブーツ等補修して10年以上着れるものなど例外はありますが)

 

これが消費期限。洋服は本来消耗するものなのです。

 

シンプルで上質な素材を使用した、自分の身体にぴったり合ったものは、消費期限を10年と仮定すれば20万円のコートやブーツもいい先行投資となります。シンプルで上質がゆえトレンドを追わずに済みますし、上等なコートはぞんざいに扱わないぶん長く着ることができます。

 

2万円のコートを毎年買い替えるよりも、上質なものを丁寧に長く着ているマダムの方がジェントルウーマンに見えるのは言うまでもないでしょう。

 

反対にトレンド感がデザインに如実に出るパンツは、どんなにその時に気に入っても3年経てば賞味期限を過ぎてしまうため、3万円以下のリーズナブルなブランドに頼るのが良い選択です。

 

まだ着れるからといって大量の洋服に埋もれてしまうと、本当に着たいものや自分を素敵に見せてくれるものを明確にすることが困難になります。

 

自分の顔と身体と向き合えば、自ずとシンプルに今着るべきものが厳選されていき、毎日洋服を選ぶストレスから解放されることにも繋がります。

 

サステナブルが叫ばれる今だからこそ、より上手にワードローブを選ぶ千里眼を養うことが、洋服と上手に付き合っていくことなのだと思います。

 

 

Johnny Kawasaki

 

 

PAGE TOP